人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のコラムとFPエッセイ

米国に息づく日本の伝統思想

アメリカ大統領選挙の序盤のヤマ場と言われる「スーパーチューズデー」が終わりました。この結果、秋の大統領選挙は現職のバイデン大統領とトランプ前大統領の間で争われることがほぼ決まりました。「もしトラ」と言われるように、もしトランプ前大統領が再…

仕事に必須のスキルになる人工知能

連日のように人工知能(AI)についての話題を見聞きします。そして誰もが仕事で人工知能を使う日が間近に迫って来ました。今年に入りマイクロソフトは看板ソフトであるOFFICE 365で人工知能「CharGpt」が使える「Copilot」(コ・パイロット=副操縦士という…

逆境に負けない心の持ち方

この度の能登地方を中心にした地震によって被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。できるだけ早く、元の暮らしができることを祈っています。 最近は自然災害や事件・事故だけでなく、技術革新によっても生活や仕事を取り巻く環境が一変する時代を…

年金制度の将来を予測する財政検証

来年、2024年は公的年金の健康診断とも言える 財政検証 の結果が公表されます。現在、厚生労働省の審議会では、年金保険料を支払う期間の延長や、短時間労働者を中心に厚生年金への加入を進めるといった案が議論されています。より長い期間、年金保険料を払…

インフレに打ち勝つ経営とは

日銀は11月の金融政策決定会合で、さらなる長期金利の上昇を容認する姿勢を打ち出しました。そして来年の春闘で一層の賃上げが見込まれることが確実になれば、次はマイナスにしている短期金利の引上げに向かうと予想されています。これまで日銀は賃金上昇を…

債券投資の魅力を探る

NISA での資産運用や 、iDeCo での老後の備えの中心は株式への投資だが、リスク=値動きの大きさゆえ、株式投資に二の足を踏む人も多い。また仮に株式投資を続けていても、定年が視野に入ってくる年齢に差し掛かると、リスク資産の株を持ち続けることが不安…

iDeCoとNISA 活用時のキーワード

将来の年金資金を用意したり資産拡大を目指す手段として、あるいは長期化するインフレに対する資産防衛の観点から、iDeCoやNISAが注目されています。これら2つの目的は違いますが、自ら選んだ投資商品を金融市場で運用するという点は同じです。今回はiDeCo…

iDeCoとNISAの使い分け

来年、2024年から新しい NISA(少額投資非課税制度)が改正されることになり、大きな注目を集めている。NISAと同じような制度として iDeCo(個人型確定拠出年金)もある。2つとも老若男女、職業を問わず利用できる制度であり、自分で資金運用する点でも似通…

中国経済減速のウラ事情

各種の報道によれば、中国の経済が減速を続けているようです。大きな原因はGDPの3割を占めるとされる不動産セクターの不振です。ここ数年、中国ではリーマンショックやコロナ対策などで膨大な資金を供給したため、不動産価格の上昇が続いていました。過熱し…

捨て去ることで道が開ける

中古自動車の買取販売のビックモーターが揺れています。保険金の不正請求に加え、環境整備 と称する活動で店舗前の樹木に除草剤を使って枯らしたことも問題になっています。 この「環境整備」を指導していたのが株式会社武蔵野の代表、小山昇氏と言われてい…

成果を上げるために必要なこと

中古車の買取販売のビックモーターが揺れています。保険金の不正請求に加え、「環境整備」と称する活動で、店舗前の樹木を枯らせたことも社会問題になっています。 この環境整備を指導したのは武蔵野という会社の代表、小山昇氏と言われていますが、環境整備…

これからの働き方を先取りしたG7サミットの舞台裏

5月に広島で開催されたG7サミットは、ウクライナのゼレンスキー大統領が飛び入り参加したこともあり、世界中から注目を集めました。 このサミットを報道する国際メディアセンターでは、世界各国の報道関係者や記者向けに食事が提供されました。そこで調理…

インフレ時代に向けた準備をしよう

日経平均株価が90年代のバブル経済崩壊後の最高値をつけ、注目を集めています。 この背景には、①予想以上に日銀による低金利政策が続きそうなこと、②東証による上場各社に対するPBR(株価純資産倍率)改善要請、③円安を背景にしたインバウンド需要の高まりや…

新札の透かしを通して見えて来る不安心理

キャッシュレス決済が広がり、現金を使う機会は減りつつある中、日銀は来年(2024年)、新札を発行します。1万円札の肖像は渋沢栄一に変わり、5000円札は津田梅子、1000円札は北里柴三郎になります。 日銀が約20年ぶりに新札を発行する理由としては、偽造防…

若手社員の早期退職と意識の変化

今年も新入社員が職場に配属される季節になりました。苦労して採用した人材ですが、厚生労働省の調査では3年を経過するまでに、およそ3割の新入社員が退職することがわかっています。 全体としてこの「3年で3割」という数字は大きく変わっていませんが、…

仕事を変える人工知能の登場

アメリカのオープンAIという会社が開発した人工知能「Chat(チャット)GPT」が話題になっています。自然言語処理タスクを実行する大規模な言語モデルとされ、質問をするとウェブサイトから情報を集め、まるで人間と会話しているかのような自然な表現で答え…

守りの姿勢が衰退を招く

昨年末の税制改正大綱でNISA・ニーサ(少額投資非課税制度)の拡充が決まりました。これによりiDeCo・イデコ(個人型確定拠出年金)の加入者・拠出額の拡大と合わせて、個人による株式市場での運用益や配当金に対する非課税枠が拡大されます。 政府がこうし…

財布や預金通帳がなくなる日

仮想通貨の業界が激震に見舞われています。取引所で世界第2位のFTXという会社が経営破綻し、連鎖倒産が相次いでいるのです。取引所というのは証券会社のような存在で、投資家は取引所に資金を預けて仮想通貨を売買します。 FTXは取引所でありながら自…

なぜ日本はデジタル化が遅れているのか?

政府は賃金のデジタル払いを解禁したり、マイナンバーカードを健康保険証の代わりにするなど、デジタル化に向けた動きを推進しています。日本ではデジタル化が遅れていると言われており、キャッシュレス決済の普及率も30%程度とされ、ドイツと並んで利用が…

職務給が広がると何がどう変わる?

岸田総理は先の国会の所信表明演説において、賃上げ対策の一つとして能力給から日本に合った職務給への移行を目指す方針であることを表明しました。総理大臣が「職能給」や「職務給」といった人事労務管理の専門用語にまで踏み込んで発言したのは驚きです。 …

インフレ到来で暮らしと経営はどう変わる?

外国為替市場では急速な円安が進んでいます。原因は日米の金利差が拡大しているためです。アメリカでは中央銀行・FRBが物価の見通しを誤り、金融引き締めが遅れたことで、およそ40年ぶりというインフレに見舞われています。あせったFRBはインフレを抑え込も…

働き方改革から働きがい改革へ

「働き方改革」の推進により、働きやすい職場環境が整いつつありますが、「働きがい」についてはあまり改善がなされていないようです。世界規模で実施されているいくつかの調査では、日本人社員の仕事に対する熱意や満足度はほとんど最下位という結果が続い…

テレワークが難しい日本の事情

コロナ禍により注目された テレワーク ですが、最近は利用が伸び悩みの状態にあるようです。 日本生産性本部 第10回働く人の意識調査 より テレワークが広がらない理由として挙げられるのは、社内のコミュニケーションが減り、仕事に支障があるからというも…

新時代の人材育成法

新入社員が配属された現場ではOJTが真っ盛りといった所ではないでしょうか 現場の責任者にすれば一刻も早く戦力になってもらいたいが、成長を急がせるあまり「詰め込み教育」になると、「ゆとり教育世代」の若者にはストレスになるという思いもあり、さじ…

将来なりたいのは「会社員」

第一生命保険が小中高生に対して、「大人になったらなりたいもの」という調査を行いました。その結果、高校生では男子の約22%、女子の18%が「会社員」と答え、いずれも1位でした。特に男子は小学生から高校生までの全てにおいて「会社員」がトップでした。…

ウィル・スミスの殴打騒ぎから読み解く人材育成のコツ

先般、映画俳優のウィル・スミスによる平手打ち事件が大きな話題になりました。アカデミー賞の授賞式の場で、進行役を務めるコメディアン、クリス・ロックがスミスの妻の容姿をジョークのネタにしました。これに激怒したスミス氏が突然ステージに上がり、ロ…

思った通りの未来が現実になるという話

ロシアがウクライナに侵攻し、連日心の痛む光景が報道されています。「ウクライナと共にある」というスローガンの通り、今後、私たちの暮らしもウクライナの人たちと同じように長く耐え忍ぶことになりそうです。 戦争の結果がどうなるにせよ、ロシアへの経済…

東京の賃貸派へ吹く追い風

2021年の住民基本台帳の人口移動報告によると、東京23区の人口が2014年に外国人も含めた調査になって以来、初めて減少に転じました。これまで毎年5万人から7万人の転入超過=人口増が続いていましたが、昨年は一転して15000人弱の転出超過=人口減になりま…

iPhoneが買えなくなる日

およそ30年ぶりにインフレが舞い戻って来ました。すでにガソリンや食料品が値上がりし、日用品では同じ価格で容量が減るなどの動きが出始めています。 30年前のインフレと比べ、今回は複数のタイプが混在しているのが特徴です。脱炭素化への動きに伴い、化石…