人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のワンポイント・コラムとショートエッセイ

若手社員の早期退職と意識の変化

今年も新入社員が職場に配属される季節になりました。苦労して採用した人材ですが、厚生労働省の調査では3年を経過するまでに、およそ3割の新入社員が退職することがわかっています。 全体としてこの「3年で3割」という数字は大きく変わっていませんが、…

仕事を変える人工知能の登場

アメリカのオープンAIという会社が開発した人工知能「Chat(チャット)GPT」が話題になっています。自然言語処理タスクを実行する大規模な言語モデルとされ、質問をするとウェブサイトから情報を集め、まるで人間と会話しているかのような自然な表現で答え…

守りの姿勢が衰退を招く

昨年末の税制改正大綱でNISA・ニーサ(少額投資非課税制度)の拡充が決まりました。これによりiDeCo・イデコ(個人型確定拠出年金)の加入者・拠出額の拡大と合わせて、個人による株式市場での運用益や配当金に対する非課税枠が拡大されます。 政府がこうし…

財布や預金通帳がなくなる日

仮想通貨の業界が激震に見舞われています。取引所で世界第2位のFTXという会社が経営破綻し、連鎖倒産が相次いでいるのです。取引所というのは証券会社のような存在で、投資家は取引所に資金を預けて仮想通貨を売買します。 FTXは取引所でありながら自…

なぜ日本はデジタル化が遅れているのか?

政府は賃金のデジタル払いを解禁したり、マイナンバーカードを健康保険証の代わりにするなど、デジタル化に向けた動きを推進しています。日本ではデジタル化が遅れていると言われており、キャッシュレス決済の普及率も30%程度とされ、ドイツと並んで利用が…

職務給が広がると何がどう変わる?

岸田総理は先の国会の所信表明演説において、賃上げ対策の一つとして能力給から日本に合った職務給への移行を目指す方針であることを表明しました。総理大臣が「職能給」や「職務給」といった人事労務管理の専門用語にまで踏み込んで発言したのは驚きです。 …

インフレ到来で暮らしと経営はどう変わる?

外国為替市場では急速な円安が進んでいます。原因は日米の金利差が拡大しているためです。アメリカでは中央銀行・FRBが物価の見通しを誤り、金融引き締めが遅れたことで、およそ40年ぶりというインフレに見舞われています。あせったFRBはインフレを抑え込も…

働き方改革から働きがい改革へ

「働き方改革」の推進により、働きやすい職場環境が整いつつありますが、「働きがい」についてはあまり改善がなされていないようです。世界規模で実施されているいくつかの調査では、日本人社員の仕事に対する熱意や満足度はほとんど最下位という結果が続い…

テレワークが難しい日本の事情

コロナ禍により注目された テレワーク ですが、最近は利用が伸び悩みの状態にあるようです。 日本生産性本部 第10回働く人の意識調査 より テレワークが広がらない理由として挙げられるのは、社内のコミュニケーションが減り、仕事に支障があるからというも…

新時代の人材育成法

新入社員が配属された現場ではOJTが真っ盛りといった所ではないでしょうか 現場の責任者にすれば一刻も早く戦力になってもらいたいが、成長を急がせるあまり「詰め込み教育」になると、「ゆとり教育世代」の若者にはストレスになるという思いもあり、さじ…

将来なりたいのは「会社員」

第一生命保険が小中高生に対して、「大人になったらなりたいもの」という調査を行いました。その結果、高校生では男子の約22%、女子の18%が「会社員」と答え、いずれも1位でした。特に男子は小学生から高校生までの全てにおいて「会社員」がトップでした。…

ウィル・スミスの殴打騒ぎから読み解く人材育成のコツ

先般、映画俳優のウィル・スミスによる平手打ち事件が大きな話題になりました。アカデミー賞の授賞式の場で、進行役を務めるコメディアン、クリス・ロックがスミスの妻の容姿をジョークのネタにしました。これに激怒したスミス氏が突然ステージに上がり、ロ…

思った通りの未来が現実になるという話

ロシアがウクライナに侵攻し、連日心の痛む光景が報道されています。「ウクライナと共にある」というスローガンの通り、今後、私たちの暮らしもウクライナの人たちと同じように長く耐え忍ぶことになりそうです。 戦争の結果がどうなるにせよ、ロシアへの経済…

東京の賃貸派へ吹く追い風

2021年の住民基本台帳の人口移動報告によると、東京23区の人口が2014年に外国人も含めた調査になって以来、初めて減少に転じました。これまで毎年5万人から7万人の転入超過=人口増が続いていましたが、昨年は一転して15000人弱の転出超過=人口減になりま…

iPhoneが買えなくなる日

およそ30年ぶりにインフレが舞い戻って来ました。すでにガソリンや食料品が値上がりし、日用品では同じ価格で容量が減るなどの動きが出始めています。 30年前のインフレと比べ、今回は複数のタイプが混在しているのが特徴です。脱炭素化への動きに伴い、化石…