人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のコラムとFPエッセイ

逆境に負けない心の持ち方

 

この度の能登地方を中心にした地震によって被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。できるだけ早く、元の暮らしができることを祈っています。

 

最近は自然災害や事件・事故だけでなく、技術革新によっても生活や仕事を取り巻く環境が一変する時代を迎えています。

こうした時代はVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取って「VUCA」(ブーカ)と称されたりします。

 

大きな環境変化には往々にして喪失感を伴います。人間関係や経済的な損失、平穏や安定といった安心感の喪失が生じます。

そのため最近注目されているのが 「レジリエンス」(resilience) という心理学用語です。これは回復力とか復元力という意味で、困難や逆境によって落ち込んだ気持ちを回復させる力のことです。

レジリエンスを高めるには、レジリエンスの高い人との交友関係を持つのが効果的と言われています。持って生まれた性格や気質が社交的で楽観的で、統率力や行動力などを備えた人はレジリエンスも高いと言われています。

こうした人たちとつき合い、フィードバックを得るようにします。人間には誰にでもどんな環境変化に見舞われても失われない資産・財産があります。それは、これまでの経験・体験から身に付けた技やスキル、自分なりの物の見方や持論、行動パターンなどです。

自分の強みは存外、自分ではわからず、他人にはよく見えています。フィードバックによって、こうした自分の持ち味や特徴を再認識することができます。それを土台に小さな目標を達成していくことを繰り返すことで自信が深まり、レジリエンスは強化されます。

強風にも負けない大木は、一旦折れてしまうと元に戻りませんが、柳やススキは細くても嵐が過ぎればすぐに元に戻る柔軟な力があります。何が起こるかわからないVUCAの時代には、柳やススキのようにしなやかに生きるのが賢明なのかもしれません。