人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のコラムとFPエッセイ

米国に息づく日本の伝統思想


アメリカ大統領選挙の序盤のヤマ場と言われる「スーパーチューズデー」が終わりました。この結果、秋の大統領選挙は現職のバイデン大統領とトランプ前大統領の間で争われることがほぼ決まりました。

「もしトラ」と言われるように、もしトランプ前大統領が再登板すると政策は大きく見直されるでしょう。経済政策も「米国第一主義」の元、米国企業への優遇策、輸入品への高関税、企業と富裕層に対する減税、ドル安の推進などが打ち出される可能性があります。

 

アメリカでは大統領が交代すると、ホワイトハウスのスタッフだけでなく、各省庁のトップクラスも交代します。会社に例えれば、社長が替わると取締役と部長クラスの管理職も替わる、そんなイメージです。

日本人からすれば、まったく経験のない人たちが政府の主要ポストに就いて、職務がこなせるのかという疑問が湧きます。

米国では会社でも仕事や役割が明確に区分けされています。そのためトップやマネージャーの仕事は方針や方向性を打ち出し、組織を目標に向かって動かすことで、実務面は一般社員が担うという運営体制が出来上がっています。

そのためトップが変われば、方針が変わり、仕事のやり方も変わるのが当たり前で、それが受け入れられない人は転職すればよいという考え方です。

日本では古くから万物は移り変わる「諸行無常」という新陳代謝の思想が根付いているはずでした。しかし、いつの間にか諸行無常は、人生のはかなさや虚しさを表す言葉として受け止められているようです。

現在はアメリカの方が日本よりも「諸行無常」が浸透しているのかもしれません。