人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のワンポイント・コラムとショートエッセイ

財布や預金通帳がなくなる日

 

仮想通貨の業界が激震に見舞われています。取引所で世界第2位のFTXという会社が経営破綻し、連鎖倒産が相次いでいるのです。取引所というのは証券会社のような存在で、投資家は取引所に資金を預けて仮想通貨を売買します。

 

FTXは取引所でありながら自社発行のポイントのような「FTTトークン」を発行し、これを担保に関連会社のアラメダ・リサーチが資金を調達し、様々な投資や買収を積極的に行っていました。

 

しかしアメリカの中央銀行による金利の引上げにより、トークンの価値も下がり、FTXの信用不安が広がります。その結果、多くの投資家が取引所から大量の資金が引き出すという取り付け騒ぎが起き、経営破綻に至ったのです。

 

続きを読む

なぜ日本はデジタル化が遅れているのか?

 

政府は賃金のデジタル払いを解禁したり、マイナンバーカードを健康保険証の代わりにするなど、デジタル化に向けた動きを推進しています。日本ではデジタル化が遅れていると言われており、キャッシュレス決済の普及率も30%程度とされ、ドイツと並んで利用が低調です。

続きを読む

職務給が広がると何がどう変わる?

岸田総理は先の国会の所信表明演説において、賃上げ対策の一つとして能力給から日本に合った職務給への移行を目指す方針であることを表明しました。総理大臣が「職能給」や「職務給」といった人事労務管理の専門用語にまで踏み込んで発言したのは驚きです。

 

日本の企業は長い間、職能給 を採用してきました。職能給とは社員の持つ職能、つまり職務遂行能力を評価して給料を決める仕組みです。ところがこの職能を客観的に評価するのが難しく、ついつい年齢を重ねるごとに職能が高まるとして扱ってきた結果、年功序列型の賃金体系が定着しました。

続きを読む

インフレ到来で暮らしと経営はどう変わる?

 

外国為替市場では急速な円安が進んでいます。原因は日米の金利差が拡大しているためです。

アメリカでは中央銀行FRBが物価の見通しを誤り、金融引き締めが遅れたことで、およそ40年ぶりというインフレに見舞われています。

あせったFRBはインフレを抑え込もうと急ピッチで金利を引き上げています。それに対し日本銀行はこれまでのゼロ金利政策を継続させる予定です。

続きを読む

働き方改革から働きがい改革へ

働き方改革」の推進により、働きやすい職場環境が整いつつありますが、「働きがい」についてはあまり改善がなされていないようです。世界規模で実施されているいくつかの調査では、日本人社員の仕事に対する熱意や満足度はほとんど最下位という結果が続いています。

 

働きがいのある社員の割合・コーンフェリー社調査より

続きを読む

テレワークが難しい日本の事情

コロナ禍により注目された テレワーク ですが、最近は利用が伸び悩みの状態にあるようです。

 

日本生産性本部 第10回働く人の意識調査 より

 

テレワークが広がらない理由として挙げられるのは、社内のコミュニケーションが減り、仕事に支障があるからというものです。

 

日本の会社では人に仕事を付ける仕組みのため、社員ごとの仕事の区分けが明確ではありません。部署の責任者は全体の業務量や部下の仕事の進み具合を把握しながら、状況に応じて仕事の割り振りを変え、現場を回しています。

 

このためテレワークになると、部下が今どんな状況にあるのかがわからず、適切に仕事を割り振れず、業務の遂行に支障が出るのです。

続きを読む

新時代の人材育成法

新入社員が配属された現場ではOJTが真っ盛りといった所ではないでしょうか

 

現場の責任者にすれば一刻も早く戦力になってもらいたいが、成長を急がせるあまり「詰め込み教育」になると、「ゆとり教育世代」の若者にはストレスになるという思いもあり、さじ加減に思案するところです。

 

一般的に日本の会社では「人に仕事を付ける」やり方をしています。そのため新入社員にも一通りの仕事を覚えてもらって、その後、本人の適性を考えながらやるべき仕事を決めていきます。

続きを読む