人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のコラムとFPエッセイ

人間が人工知能に使われる日

 

日米で株式相場が最高値を更新したことが話題になっている。株価上昇の背景には人工知能への期待がある。誰でも利用可能な人工知能は数カ月単位で新しい機能が追加され、スピードや精度も高まっている。

このままのペースで進歩すれば、人間の能力を超える日が来るというSF映画のような世界が現実になりかねないことに期待と不安を抱く人も増えている。

だが人工知能は計算機に過ぎず人間を超えることはないと断言するのが、数理論理学が専門の新井紀子教授(写真・下)だ。新井教授は人工知能を東大に合格させるプロジェクトの開発責任者を務めた経験があるだけに耳を傾ける価値はあるだろう。


そして新井教授は人工知能が引き起こす問題よりも大きいのが人間、それも子供たちにあると指摘する。それは一体どういうことなのだろう?

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株価急落から得た教訓

 

ここの所、日本の株式市場や為替市場が乱高下しています。きっかけは日米で相次いだ想定外の出来事です。まず日銀が7月31日、多くの市場関係者が予想していなかった金利の引上げに踏み切りました。

次いで8月2日、米国で雇用統計が発表され、ここで失業率が予想以上に悪化したことが明らかになりました。この結果。急速に景気後退懸念が高まり、米国の株式市場は急落、日米の金利差が縮小に向かうという思惑から円高ドル安が進みました。

 

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おカネとの上手なつき合い方

 

人付き合いと同じくらい難しいのがおカネとのつき合い方だ。ベストセラー「サイコロジー・オブ・マネー」(Psycology of Money)の著者、モーガン・ハウセル(Morgan Hausel)は、お金と上手くつき合うには頭の良さよりも、行動が大切だと説く。

 


モーガン・ハウセル

 

その理由は、経済的な成功は運に左右される部分が大きく、物理や数学といったハードサイエンスでは得られず、どう振る舞うかというソフトスキルの問題であることが多いためだ。

本書では人間の欠点、偏見、悪しき行動の原因などを深く掘り下げている。「お金」を仕事や人生、経営に置き換えても通用するだろう。投資をする人もしない人にも通じる教訓をいくつかご紹介しよう。

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人生には分散が欠かせない

 

今年のゴールデンウィークに海外旅行をされ、円の安さを痛感された方も多いのではないでしょうか

円安の直接の原因は日米の金利差と言われていますが、その背後には複数の構造的な要因があります。そのため今後も円安の傾向は続き、輸入品の価格上昇を通じて国内のインフレも持続しそうです。

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なぜ経済格差は広がるのか?


日米の株式市場では主な株価指数が史上最高値を更新し活況を呈しています。しかし、上昇しているのは人工知能半導体といった一部の銘柄に偏っています。

こうした偏りは個人の所得にも見られます。国民所得全体に占める上位10%の人たちの所得割合は米国では48%、日本は44%になっており、この比率は年々高まっています。

つまり上位10%の人たちの所得は増え続け、その他の90%の人たちとの格差が広がっている格好です。

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米国に息づく日本の伝統思想


アメリカ大統領選挙の序盤のヤマ場と言われる「スーパーチューズデー」が終わりました。この結果、秋の大統領選挙は現職のバイデン大統領とトランプ前大統領の間で争われることがほぼ決まりました。

「もしトラ」と言われるように、もしトランプ前大統領が再登板すると政策は大きく見直されるでしょう。経済政策も「米国第一主義」の元、米国企業への優遇策、輸入品への高関税、企業と富裕層に対する減税、ドル安の推進などが打ち出される可能性があります。

 

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仕事に必須のスキルになる人工知能


連日のように人工知能(AI)についての話題を見聞きします。そして誰もが仕事で人工知能を使う日が間近に迫って来ました。

今年に入りマイクロソフトは看板ソフトであるOFFICE 365で人工知能「CharGpt」が使える「Copilot」(コ・パイロット=副操縦士という意味)という有料サービスの提供を始めました。

OFFICEソフトに組み入れず単体としての「Copilot」であれば無料で使えます。またマイクロソフトはウェブサイト経由ではなく、WindowsのPCのタスクバーから直接「Copilot」を使えるように仕様変更を進めています。

一方、Googleは先月(2024年2月)に人工知能「Bard」を最新の大規模言語モデルを使った「Gemini」(ジェミニ or ジェミナイ)に切り替えました。先行する「ChatGpt」も有料版では数カ月単位で新しい機能を追加しています。

これらの大手以外にも「Perplexity」(パープレキシティ)や、アンソロピック社による「Claude」(クロード)も、日本語での人工知能が使えるサービスを提供しています。

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