対話型の生成AI、ChatGPTが登場して2年が過ぎました。個人で使ってみた人は多いでしょうが、会社での利用状況はいかがでしょう?
昨年に行われたマイクロソフトとLinkedInによる調査によると、日本における知的労働者の生成AIの利用率は32%で、世界平均の75%に比べ少なくなっています。
また総務省の調査では、日本企業で生成AIの活用方針を定めているのは43%で、米国の78%、中国の95%に比べると出遅れています。
これは何もAIに限った話ではなく、90年代から現在まで米国のIT投資額が3倍に増えているのに対し、日本では横ばいが続いています。
日本の会社でパソコンやオフコンの利用が始まった70年代、企業はそれまでの自社の業務の一部をコンピュータで処理するため、ソフト開発を専門業者に発注しました。これに対し欧米企業の多くは既製品である市販のパッケージソフトを使いました。
パッケージソフトは購入してすぐに使える上、価格もランニングコストも安上がりでした。また社員も市販のソフトが使えるようになれば、次の転職先も同じソフトを使っているケースがあるため、スキルの習得がムダになりませんでした。
そして何より大きかったのは、欧米企業は市販のソフトで対応できない業務はソフトで処理できるように仕事の内容を見直し、それでもできない場合はその仕事そのものを取り止めました。
つまりパソコンやオフコンを導入して効率化を図るだけでなく、仕事のあり方も見直して生産性を向上させたのです。
今回登場した生成AIの活用に際しても、既存の業務の一部を人工知能に置き換えるだけでは不十分でしょう。
人工知能で扱えないような仕事は、仕事そのものを見直したり、場合によっては思い切って止めてしまうといった決断が必要ではないでしょうか