人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のコラムとFPエッセイ

ディープシークの登場で人工知能はどう変わるのか


中国の新興企業が開発した人工知能、「ディープシーク」(deepseek)が注目を集めています。米国企業の人工知能よりも開発期間が短く、コストも安い上、性能は遜色がありません。

心臓部であるソースコードも公開されていて、誰でも自由に改良して利用することもできます。また人工知能が稼働するデータセンターでは高価な最新の半導体は使わず、型落ちの安価な半導体を使用していると言われています(真偽は不明)

ChatGPTを手掛けるオープンAIの開発ロードマップによれば、現在、同社の開発レベルは5段階中の2番目の段階にあります。第1段階が誰でも無料で使えるチャットボットのような対話型であるのに対し、第2段階では人間の思考により近い推論ができます。

ディープシークは昨年、V2やV3といった対話型の人工知能を公開しており、今回はR1という推論もできる仕様にバージョンアップして、米国勢と並ぶ所までこぎつけた格好です。しかもChatGPTやGoogleの最新モデルは月額課金の有料なのに対して、ディープシークは無料です。

ただしディープシークの利用規約には、入力したデータは中国に送信され利用されると明記されていることから、中国以外の企業が積極的に利用する事態には至りそうもありません。

個人でもアプリをダウンロードできますが、個人情報が送信されるリスクは伴います。しかし、ディープシークがこれからの人工知能の開発や利用に一石を投じたことは間違いないでしょう。

人工知能の開発や運用が低コストで可能になれば、より多くの会社や個人での利用が進みます。将来は半導体が使われている製品やサービスには、人工知能がバックグラウンドで作動しているといった状況になるでしょう。

また簡単な処理ならAIチップを搭載した手元のパソコンやスマホで処理を済ませる「エッジコンピューティング」が広がるかもしれません。現在のようなクラウドにあるデータセンターに接続しないため、高速処理が可能になり、機密情報やプライバシーが漏洩するリスクも減ります。

1970年代のコンピュータといえば大型の汎用機が主流でした。そんな時に登場した小型のパソコンは、専門家や業界関係者からは「子供のオモチャ」として相手にされませんでした。しかし約20年後、大型コンピュータはパソコンに主役の座を譲ります。

私たちも人工知能なんて間違いが多くて使い物にならないとバカにしていると、大型コンピュータの二の舞いになりかねません。