人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のコラムとFPエッセイ

人生には分散が欠かせない

 

今年のゴールデンウィークに海外旅行をされ、円の安さを痛感された方も多いのではないでしょうか

円安の直接の原因は日米の金利差と言われていますが、その背後には複数の構造的な要因があります。そのため今後も円安の傾向は続き、輸入品の価格上昇を通じて国内のインフレも持続しそうです。

日本はエネルギーや食糧といった生活に欠かせない物資を輸入に頼っているため、円安によるインフレは生活を直撃します。

こうした状況では、日本円だけを銀行に預けていると資産の実質価値、つまり購買力は大きく目減りします。資産運用なんかしていないという人も、円という現金に絞って資産運用している状態に他なりません。

資産運用の世界では「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な教訓があります。資産を全部、日本円というカゴに入れていると、そのカゴを落せば卵は全部割れてしまいます。

卵をいくつかのカゴに分けて入れておくように、日本円の一部を外貨に替えたり、株式や不動産、金(GOLD)といったリスク資産に分散させておくことが資産防衛につながります。

 


こうした 分散 は経営や職業上のキャリアにおいても大切です。

経営資源を一つの分野に集中させると目先の経営効率は向上します。しかし、現時点の状況に最適化し過ぎた代償として、先々の環境変化には乗り遅れます。

また個人の職業人生、キャリアも一つの会社だけに依存していると、不測の事態に見舞われた時に立ち往生しかねません。

世界経済はかつてのグローバル経済から、西側諸国、独裁国家、グローバルサウス諸国という3つで構成されるブロック経済へ移行しつつあります。加えて、人工知能に象徴される新しいテクノロジーは生活やビジネスのあり方を大きく変えそうです。

会社も個人も何が起きても対応ができるように、常日頃から分散という備えを怠らないことが求められています。