人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のコラムとFPエッセイ

減り続けるおカネの価値

 

令和のコメ騒動が続いていますが、コメ以外の食料品の値上がりも続いています。2025年6月の日本の物価上昇率は3.3%で、先進国の中で最も高くなっています。


インフレの原因の一つは、前の日銀総裁による異次元の金融緩和によって、おカネが大量にバラまかれた結果です。

本来、こうした時は日銀は金利を引き上げるべきですが、金利を上げるとこれまでゼロ金利だった政府債務(国債)を借り換える際に利払いが発生します。

日本国債の利回りが1%上昇すると、金利負担は3兆円~4兆円増えると試算されています。こうなると予算編成が困難になる恐れがあるため、簡単に利上げに踏み切れません。

政府の借金が巨額なのに利上げに踏み切ったのが米国です。米国もコロナ禍で大量の現金給付を行ったためインフレに火が付き、2022年にはインフレ率が9%にまで達しました。

そこで米国の中央銀行であるFRB金利を5%を超える水準にまで引き上げました。その結果、コロナ禍でセロ金利だった国債が満期償還を迎え、借り換えのために新たに発行する国債には利払いが生じています。

現在、米国政府の利払いは年間1兆ドルを超え、国防費よりも大きくなっています。米国政府はこの利息を払うために新たに国債を発行して借金を増やし続けており、いわば自転車操業の状態にあります。

日米ともに財政の健全化を図るため、増税や政府支出の削減・効率化を目指す時期ですが、議会や国会は逆に選挙の度に減税や給付金を巡って議論を交わしています。

インフレが起きている時に減税や給付金でおカネをバラまけば、さらにインフレが加速して、減税や給付金の効果は帳消しになります。効果がないため、再度、別の減税や給付金が検討されます。

こうしてインフレは収束せず、現金の価値=購買力は低下を続けています。投資の神様と称されるウォーレン・バフェット氏(Warren Buffett)はドル(という現金)は地獄行きの通貨であり、そうしたもので資産は持ちたくないと語っています。

Warren Buffett

そしておカネがあるにも関わらず円を借りて、日本の商社株を買い、50年~100年保有し続けると語っています。おそらく50年から100年後には円はドルよりも安くなり、借りた円をドルで返済する時は安く済むと見越しているのでしょう。

おカネは単に銀行に預けているだけにせず、運用によって働いてもらうことが求められています。