人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のコラムとFPエッセイ

インフレ時代に向けた準備をしよう

日経平均株価が90年代のバブル経済崩壊後の最高値をつけ、注目を集めています。

 

この背景には、①予想以上に日銀による低金利政策が続きそうなこと、②東証による上場各社に対するPBR(株価純資産倍率)改善要請、③円安を背景にしたインバウンド需要の高まりや国内製造への投資の回復、④著名な投資家、ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)による日本株買いなどが挙げられます。

 


ウォーレン・バフェット

 

そして、もう一つ見落とせないのが日本の30年に渡るデフレが終わるだけでなく、世界的にインフレが長引くのではないかという予測です。

 

1989年にベルリンの壁が崩壊し、東西の冷戦が終わり、インターネットの普及によりグローバル経済が花開きました。企業は世界中で生産や販売をすることで生産性を劇的に向上させ、グローバルな規模で需給が調整されるようになった結果、世界的にインフレは影を潜めました。

 

ところがウクライナでの戦争を皮切りに、見えない壁が築かれつつあります。日米欧諸国はいくら安くてもロシア産のエネルギーはあまり使えなくなりました。また中国でこれまでのようにモノを作ったり、売ったできなくなりました。これらはすべてインフレをもたらします。

 

また先進諸国だけでなく中国も人口が頭打ちで高齢化は進む一方です。その結果、どの国も年金、医療、介護といった社会保障社会福祉のための支出は伸び続け、政府の借金である国債の増発が続きます。おカネの発行が増えることもインフレを誘発します。

 

インフレになると借金をするのも合理的な選択です。インフレによって借金返済の実質的な額が減っていくためです。日本で最も借金を抱えているのは日本政府です。このためインフレになると日本政府の借金の負担は減ります。

 

インフレは誰もが平等に負担し、消費税と同じ効果をもたらすことから「インフレ税」とも呼ばれます。財務省はインフレが暴走しない限り、その抑制には二の足を踏みそうです。

 

インフレ・ストップは期待薄?

 


インフレになるとデフレとは異なった行動が求められます。デフレ時代には今日より明日の方が物価は下がるため、企業も個人もおカネを使わないのが合理的でした。企業は投資を控え、内部留保を積み上げ、個人は預貯金に精を出すのが正しい行動でした。

 

しかしインフレになると現金をおカネの価値は日々減少していくため、現金を貯めることが合理的ではなくなります。すでに企業は内部留保を使って投資を拡大したり、自社株買いを進めています。初任給や昇給をアップしているのも投資の一つです。

 

一方、個人はiDeCo(個人型確定拠出年金)来年から拡充されるNISA(少額投資非課税制度)といった制度を使って、当面使う予定のない預貯金は株や投資信託、不動産、金GOLDといったモノに変えておくのが賢明です。不動産や金GOLDは、REITETFなどの投資商品を使えば、少額で間接的に保有することができます。

 

企業も個人もインフレ時代に向けたマインドセットが必要になったようです。