ここの所、日本の株式市場や為替市場が乱高下しています。きっかけは日米で相次いだ想定外の出来事です。まず日銀が7月31日、多くの市場関係者が予想していなかった金利の引上げに踏み切りました。
次いで8月2日、米国で雇用統計が発表され、ここで失業率が予想以上に悪化したことが明らかになりました。この結果。急速に景気後退懸念が高まり、米国の株式市場は急落、日米の金利差が縮小に向かうという思惑から円高ドル安が進みました。
これにより痛手を被ったのが海外の投資家です。彼らはゼロ金利の日本円で資金を調達し、それをドルに換えて米国株などを買っていました。彼らの多くが買っていたハイテク・半導体株はAIブームの波に乗って値上がりを続けていました。
こうした株価の上昇に加えて、借りている円の金利負担はほとんどない上、借りた円を返す時は円安のためドルでの返済額は少なくて済むというトリプルメリットを満喫していました。
しかし今回の想定外の出来事で、買っていた株は値下がりし、借りていた円には金利負担が生じ、返済するドルの金額が増えてしまうというトリプル損に見舞われました。あせった彼らは損失をカバーするため日経平均の先物を売った結果、日本株は急落しました。

結局、日銀のゼロ金利政策で一番トクをしたのは海外勢で、日本の投資家は彼らに振り回された格好です。今や日本の株式市場で売買の半数以上は外国人です。今後も海外勢の思惑で市場が乱高下することが予想されます。
NISAを利用する個人投資家は基本に徹し、投資は余剰資金の範囲内で行い、運用商品が値下がりしても回復まで我慢できる心理状態にしておくこと、そして運用は長期・分散・積立によって価格変動のリスクを減らす姿勢が大切です。
そして積立金額が自分が考える大台に達したり、定年を意識する年齢に差し掛かったら、値動きの大きい株式での運用資産を減らし、比較的安定した債券や金GOLD、不動産(REIT)などにも分散させることも検討するとよいでしょう。