来年、2024年から新しい NISA(少額投資非課税制度)が改正されることになり、大きな注目を集めている。NISAと同じような制度として iDeCo(個人型確定拠出年金)もある。
2つとも老若男女、職業を問わず利用できる制度であり、自分で資金運用する点でも似通っている。しかし制度の趣旨は大きく違うため、それぞれの違いを踏まえて利用することが望ましい。そこでiDeCoとNISAの違いを取り上げる。
iDeCoとNISAの法律上の位置づけ
iDeCoは 確定拠出年金法 という法律に基づく制度であり、第1条の目的条文には「公的年金の給付と相まって、生活の安定と福祉の向上に寄与する」と書かれている。この「公的年金の給付と相まって」という箇所がポイントで、iDeCoは公的年金に個人が上乗せを図る私的な年金という位置づけになる。
これに対しNISAは 租税特別措置法 に基づく税制上の特例であり、その目的は ①企業の成長資金の供給拡大を促しつつ、②家計の安定的な資産形成を推し進めることを狙いにしている。
つまりiDeCoは個人による年金のためという限定的な仕組みであるのに対し、NISAは年金も含めた幅広い意味での個人の資産形成のための制度になる。