人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のワンポイント・コラムとショートエッセイ

思った通りの未来が現実になるという話

ロシアがウクライナに侵攻し、連日心の痛む光景が報道されています。「ウクライナと共にある」というスローガンの通り、今後、私たちの暮らしもウクライナの人たちと同じように長く耐え忍ぶことになりそうです。

 

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戦争の結果がどうなるにせよ、ロシアへの経済制裁は長引き、エネルギーや穀物供給の不安定さが増すことから、原油天然ガス、小麦の価格が上昇しています。インフレがさらに加速し、景気の後退も懸念されます。コロナ禍の出口が見え始めた矢先だけに世界経済には大打撃です。

 

現在の状況は1970年代に生じたオイルショックを思い起こさせます。当時も中東での戦争や政変により原油価格が高騰し、先進各国は軒並みインフレと景気後退という スタグフレーション に見舞われました。現在、金融市場では長期金利短期金利よりも低くなるという通常では起こりえない状態(逆イールド)に近づきつつあります。これは多くの市場関係者が近い将来のスタグフレーション入りを予想している兆候です。

 

心理学には 予言の自己成就 という概念があります。根拠のない噂や荒唐無稽な話でも、人々がそうした噂や話に沿った行動をすることで予言が現実化するというものです。多くの人がインフレと景気後退を予想すれば、スタグフレーションが実際に起こります。一見、非科学的じみた説のように思えるかもしれませんが、裏付けとなる調査結果や研究成果も公表されています。詳しくはこちら

 

この「予言の自己成就」は経営や個人のキャリアにも通じる所があります。経営者が自社を構造不況業種だと考えていれば、会社は不況から抜け出ません。働く人が自分には何の取り柄もないと自己否定してばかりいると、将来の展望も開けないでしょう。

 

景気、元気、病気にはいずれも「気」という漢字が使われています。「気」という気持ちの持ち方次第で景気や心身の状態は左右される側面があります。根拠のない楽観論は禁物ですが、いたずらに悲観論に苛まれるのも考えものです。