人事コンサルタントのお仕事日誌

人事労務管理のワンポイント・コラムとショートエッセイ

働き方改革から働きがい改革へ

働き方改革」の推進により、働きやすい職場環境が整いつつありますが、「働きがい」についてはあまり改善がなされていないようです。世界規模で実施されているいくつかの調査では、日本人社員の仕事に対する熱意や満足度はほとんど最下位という結果が続いています。

 

働きがいのある社員の割合・コーンフェリー社調査より

 

仕事に熱意のある社員の割合・ギャラップ調査

 

最近は、働きやすいものの、働きがいのない会社を「ゆるブラック企業」と称する向きもあります。

 

style.nikkei.com

 

何に「働きがい」を感じるかは人によって異なるため、人事制度のような仕組みによって向上させるのは難しい所があります。

 

そうした中、「働きがい」につながるのは仕事が「自分事」であることでしょう。仕事が自分と関わりのない「他人事」であれば、そこから「働きがい」が生じるとは考えられません。仕事を「自分事」にする一つの方法が権限の移譲です。

 

パナソニックの創業者、松下幸之助 氏は大胆に権限を委譲し、会社を大きく成長させたことで知られています。社員に仕事を任せる判断基準は、およそ6割くらいの程度で任せて大丈夫だろうと思えたら、思い切って仕事を任せていきました。

 

そして任せる際には命じるのではなく、相談的に話をしました。「今度、こんな事をやろうと思うが、君、やってくれんか」とか、「これは君ならできると思うが、どうや?」といった具合です。

 

部下の方も一方的に仕事を命じられるよりも、こうして相談的に話をされる方が、仕事について自分で受け止め、仕事が自分事になりやすいでしょう。

 

松下幸之助氏は仕事を任せた後は口を出さないものの、部下の仕事ぶりを見守り、必要な際は介入することを厭いませんでした。こうしたやり方について「任せて任さず」と語っています。

 

米国の人材輩出企業の一つ、スリーエム(3M)には人材育成について、「船長は血が出るほどに舌を噛む」という格言があります。

 

船長は操船で最も難しいとされる接岸を若手に任せた時、危なっかしい操船ぶりに、あれこれと指示を出してしまいがちです。しかし、それでは若手はいつまで経っても一人前になれません。船長は血が出るくらい舌をかみ、ガマンをして見守ることが人材育成に繋がるという教えです。

 

部下に仕事を任せなかったり、任せてもあれこれと口を出したり、任せて丸投げにしていては、部下の「働きがい」が高まることはありません。

 

 

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