第一生命保険が小中高生に対して、「大人になったらなりたいもの」という調査を行いました。その結果、高校生では男子の約22%、女子の18%が「会社員」と答え、いずれも1位でした。特に男子は小学生から高校生までの全てにおいて「会社員」がトップでした。
子供たちになぜ「会社員」を選んだのかを聞いてみると、すべての世代で「働きやすそう」だからという答えでした。リモートワークをしている親の影響か、それとも休日に家でゴロゴロしている姿がそう思わせるか、そこまではわかりませんが・・・
この傾向は就活中の学生にも受け継がれています。就職情報を提供しているマイナビの調査によると、新卒学生が会社を選ぶポイントは、10年前の2013年卒業予定者では「自分のやりたい仕事ができる会社」が45%でトップでした。
しかし、それ以後は年々低下を続け、最新の2023年卒予定者では32%にまで下がっています(下のグラフのオレンジの線)
それに代わって増えているのが「安定している会社」で、2013年卒予定者では22%でしたが、2023年卒予定者では44%にまで上昇しています(グラフの濃紺の線)
では新卒学生が考える「安定」とは何かを尋ねてみると、「福利厚生の充実」と「安心して働ける環境」が上位となり、会社の売上や社員数よりも勝っています。新卒の学生にとっての「安定」とは会社の規模ではなく、自分にとっての心地良さという内面を重視した結果と言えそうです。
学生の大手志向もここ2年は低下を続け、逆に中小企業志向は増加し、今はほぼ同数になっています(下の水色の線が大手志向の学生の割合)
若手人材を確保する上でのカギは会社の規模や知名度から、働きやすさに変わっています。たとえば、柔軟な働き方を選択できる、キャリアを支援する仕組みがある、ハラスメントとは縁がない風通しのよい風土、成果や成績が適切に評価される、などはそうした一例です。
学生の意識の変化に伴い、中小企業にも採用のチャンスが広がっていると言えそうです。